時 空 堂

「そうではない。潤、お前ならばわかるだろう?何故ここに出入りでき、刹那の正体を知る機会を得れているのか」

「えっ?」

「潤、恭華は業が積まれたから死んだのではないのだ。本当に偶然の事故に巻き込まれ死んだだけなのだぞ」

 クロの言葉一つ一つを頭の中で消化していく。

 俺は何の為にここに出入りしていた。
 何の為にここで刹那を見ていた。
 ここの人間は何故この時空堂に来ていた。


 消化しきったあと、ひとつの結論が頭の中に残った。



「そうか。俺がここに来ていたのは、ここに来ていた人間と同じ理由か」
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