時 空 堂
刹那は俺の方に手をさっと伸ばした。
「やめろっ」
クロの制止よりも早く、刹那は人差し指を俺に向けた。
その瞬間、視界が真っ暗になり、体がグニャリと違和感を感じ、思わず目を瞑った。
「せ・・・、刹那?」
ゆっくりと目を開けると、真っ暗闇の中に刹那はぽつんと立っていた。
「ここは?クロはどこ?」
「ここは私の力で作っている空間よ」
刹那は自分の手をじっと見ていた。
「刹那」
歩み寄ろうとし、少し足を踏み出した瞬間、刹那はその手を俺の方に向けた。
「お願い、近寄らないで。頭が割れそうなの」
そう言いながら、反対の手で頭を押さえていた。
恭華の魂が暴走しているのだろうか。