時 空 堂

「私はあなたに絶対いくなと言ったわ」

「あぁ」

「あなたは私にいかないと言った。でも、あなたがいくというなら私は止めない。止める権利はないし、私は時空堂の者。ただ、今までの人たちの末路を見てから決めて欲しいの」

 悲痛な面持ちの刹那。

「もし、クロがあなたをいかせたいだけだったら、あなたはあの人たちと同じ末路を迎えることになる。それだけは分かっていて」

「・・・あぁ。分かった」

 俺の返答を聞いたあと、小さく深呼吸をした。そして、ゆっくりと腕をあげた。

「いい?」

「あぁ」

 次の瞬間、刹那の指がピンと伸び、俺を指さした。そして目の前に、映像が映し出された。
< 376 / 426 >

この作品をシェア

pagetop