時 空 堂

 目を覆いたくなるような光景。

 こんなにも、あっけなく人が死ぬのを刹那はずっと見てきたっていうのか。最後に縋られ、それを助けることも出来ず、ただただ見守り、最後を見届けるだけ・・・。そんなのって、そんなことって・・・。

「刹那、もうやめてくれ。刹那、お願いだっ」

 そう言っても、刹那から返事はなく、ずっとこんな風に映像は流れ続けていった。

「・・・最後まで、見ろということか」

 見たことのある青年や少女の最後を見た。

 こんな最後になるのをわかっていて、過去か未来に行かすなんて、酷すぎる。

 でも、何人かは、自分の望んだことを全うし、償っている。刹那にお礼を言って、満足そうにしている人だっていた。
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