時 空 堂

 どれくらいの時間が経ったんだろう。終わらないと思っていた映像がやっと真っ暗になった。目の前には白髪の綺麗な刹那が立っていた。

「潤」

「これが刹那の見ていた時空堂の真実なんだね」

 刹那は黙ったまま、じっと俺の方を見ていた。

「刹那、俺はずっと行かなかった。一度、恭華を失った。もう一度失うんじゃないかと怖かったんだ」

 刹那はなにも言わなかった。その変わり、自分の胸のあたりを押さえていた。苦しいんだろうか。

「クロもさ、同じだったんだよ。ここの力があればきっとクロは両親を探せたはず。でも、それをしなかったのは、怖かったんだ」

「怖い?」

「あぁ、一度失うとね、またあるんじゃないかって怖いんだよ」

「・・・そう」
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