時 空 堂
そう、怖いんだ。自分から行くのが。
もし、また失ったらどうやって立ち直ればいいのか分からない。そんな不安なことしか頭にないんだ。
きっとクロもそうなんだろう。
こんなこと考えている場合じゃない。話をしなくちゃいけない。
早くしないと。今刹那も体はきついはずだ。恭華の魂が暴走をし始めるだろう。このままでは刹那が消えてしまう。
「クロのところに戻ろう、刹那。3人で話をしよう。これが最後だ」
俺の言葉に、刹那はこくんと頷いた。
刹那の手が伸びた瞬間、元の時空堂に俺は立った。目の前には目を見開いたクロが居た。
「帰って・・・きたか」
クロの声はか細いものだった。