時 空 堂

 クロがそう答えると、刹那は何も言わなかった。少し間が開いた。今度は俺が口を開く。

「クロはさ、死なないの?」

「あぁ、死なない」

「永遠に生きるってどんな感じ?」

 クロの目元がピクっと動いた。

「なんだ?くだらない話をするなら終わりにするぞ」

「いいから、答えてよ」

 そう言うと小さくため息をついた。

「ただ時間が過ぎていくだけだ。何も感じない」

「本当に?」

「くどい」

「ははっ、ごめん。でもさ、俺には何かを待っているように感じるんだ」

 クロは俺の顔をじっと見た。俺もじっと見る。

 隣で刹那の呼吸が荒くなってきているのが分かった。時間がない。

「ほぅ。何を待っているというのだ?」
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