時 空 堂

「会いたいんじゃないの?」

「・・・何にだ?」

「クロの・・・、人間の時の両親にだよ」

 目を大きく開き、驚いた顔をしていた。

「・・・ははっ、はははは。おまえは変わったことを言う。幸せになって欲しかった、の次は会いたい、か。バカなことを」

「違うの?」

「親などとっくに死んでおるわ」

「だからだよ」

「何が言いたい?はっきり言え」

 刹那も気になったのか俺の方を向いた。

「輪廻転生だよ。業が積もったら、ここに来る。ということはさ、クロの両親がここに来る可能性がないわけじゃないだろう?」

「・・・おまえというやつは」

 クロは呆れたように俺の方を見た。

「死んでも、生まれ変わって生きてる。クロの両親だってどこかにいるかもしれないんだろう?」 
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