時 空 堂
ごめん、刹那。ごめん。本当にごめん。俺も人間なんだ。業が溜まって、不幸な死に方をしてもいい。さっき見た人たちのような死に方を、自分がするのであれば、俺は構わない。恭華に会えるなら。
「潤、嫌。ダメ。死んだら、死んだらどうするの?」
「刹那、そんなこと考えてたら、俺またここから進めなくなっちゃうよ。もし、死ぬとしても来世で会える可能性がある方を選びたいんだ」
苦笑いすると、刹那は泣きそうな顔で俺を見た。
クロの背中に置いていた手をそっとのけた。
「クロ、俺いくから。まだまだ謎なことがあるけどさ、それは、もしまた俺が時空堂に来た時に教えてくれよな」
俺の言葉にクロは顔を上げた。
「馬鹿野郎だな、おまえは」
「あははは。俺さ、ここに来て良かった。人間って愚かだけど、自分に正直に生きてるんだよ、クロ」