時 空 堂

「さぁ、もう用事は終わったかしら?」

「・・・ひどいよ。ひっく、助けてくれたって、いいじゃない。ぅうっ」

 駄々をこねる子供のように泣きじゃくる私を見ながら、女はさっきの微笑みから一転して、少し悲しそうな顔をした。

「・・・私には何も出来ないから」

 そう小さく呟くように言ったあと、真っ直ぐ私に向かって深々と一礼をした。

「時空堂のご利用、ありがとうございました」

 そう言ったあと、女はすぅっと消え、私の前から姿を消した。
< 40 / 426 >

この作品をシェア

pagetop