時 空 堂

「そっか」

「まぁ、中身とその者の想いが強く通じていないと時空堂は出入りなど出来ない」

「えっ?そうだったの」

 刹那も驚いていた。

 複雑なものだと思っていた、時空堂。

 でも、実際は幼い魂が、両親に会いたい一心で作った店。

 哀れな魂を救済し、来世への希望を作り、来世へ送る場所。

 ただそれだけだった。

「さぁ、そろそろいこうかな。気持ちが変わる前にいかなくちゃね」

 刹那の手をぎゅっと握った。

「俺、刹那の笑った顔好きだったよ」
 
「・・・潤」

 握っていた刹那の手をゆっくりと離した。

「じゃあね、二人共。またどこかで会おう」

「・・・ふっ」

 クロは小さく笑った。

「・・・本当にいい?」

「あぁ」

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