時 空 堂
「・・・もうしんどいか?」
クロはそう言うと、私に近付いた。
「えぇ、今もはっきり話せているのか、わからない」
上手く声が出ているんだろうか。視界が霞み始めた。
「ねぇ、クロ。いつかこの時空堂を閉める時が来たら、この入れ物はきちんと埋葬してあげてね」
「埋葬?」
「この体が誰のものかはわからないけれど、きっと、一番疲れているだろうから休ませてあげてね」
ふらふらし始めた。力が入らず、膝から床に崩れ落ちた。
「私、クロが悪者だと疑ったの。ごめんなさい」
「はは、悪者だろう?これだけの者を巻き込んで、自分の私利私欲のために生きているんだから」
「そんなことないよ・・・。そんなこと、ない」
声が出なくなってきた。