時 空 堂
其ノ五、男
刹那に指を指されたあと、視界が歪み、俺は思わず目を瞑った。
体が、がくんと動いた気がした。
落ち着いてから、ゆっくりと目を開けると、そこは自分の部屋だった。
「・・・あれ、ここは」
自室のベッドの上に座り込んでいた。
「・・・はっ。ここって、・・・今っていつなんだ」
慌てて部屋を飛び出た。階段を駆け下りると、リビングには榊さんが立っていた。
「あら?おはようございます。今日はいつもより早いんですね?デートですか?」
そう言ってクスッと笑った。もう朝なんてとっくに通り越して夕方だ。
でも、それに答えることなく俺はテレビを付けた。
「どうしたんですか?何かありました?」
榊さんは慌てている俺に驚いていた。