時 空 堂
終結
恭華の体を俺の手が捉えた瞬間、体が何かにぶつかって、空を舞った。
ぎゅっと目を瞑り、恭華だけは離すまいと、引き寄せ力を込めた。
急な衝撃で、もはや、立っていない状況としか分からなかった。
一瞬の間に、どうなったのか分からなかったけれど、ゆっくり目を開けると俺の目には刹那が映った。俺の体は横たわっていた。
「・・・せ、つな?」
声が出にくい。背中が痛い。
「ありがとう、潤」
「・・・ありが、とう?」
一体、何のことなのか分からなかった。
「ふふ。あっちで呼ばれているわ。早く戻ってあげてね。時空堂のご利用、ありがとうございました」
刹那はにっこりと笑ってそう言って深々とお辞儀をしたあと、綺麗な白髪をなびかせながら、俺の目の前から消えた。