時 空 堂
長い間、彷徨い続ける少年の魂が、いつか解放されるとどんなにいいんだろう。
きっと、いつか、また誰かの前に時空堂は現れるだろう。
・・・欲にまみれているこの世界で、無欲に生きている人間なんているんだろうか。
俺は無欲になんて生きられない。現にこうして恭華を欲した。それすらだって欲だ。
でも、誓うよ、刹那。俺は後悔のないよう生きていく。
もし、業が溜まって、また時空堂が目の前に現れても、俺はもう絶対にどちらにもいかない。その時は守れなかった約束を守るよ。
やり直させてくれて、ありがとう。
俺は恭華と共に、今を生きていく。
不思議な体験だったよ。
また、会おう。クロ、刹那。今度は、人間の姿を見せてくれよな。
それまで、しばしのお別れだ。次の再会まで・・・。
「いってらっしゃい」