時 空 堂
時空堂

 あの少女が、刹那のマジックかなんかによってここから消えたあと、俺は時空堂でのんびりお茶を飲んでいた。

「・・・おまえ暇そうだな」

 俺を見ずにクロは呟いた。

「うるさいな。・・・にしてもさ、なんで俺の存在って消えちゃうわけ?」

「む?何の話だ?」

「何の話だ?じゃないよ。客がここに来るだろう?そうしたらさ、客は俺のことに気付いてないじゃないか。目線が合ったことないよ」

「あぁ」

 クロは前足で顔を掻きながら話し出した。
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