時 空 堂
「もうすぐ刹那が帰ってくるならしばらく待っているよ」
「ふんっ。好きにしろ」
そう言ってクロは椅子から飛び降りた。綺麗なジャンプだった。
「奥の部屋には入るなよ」
「ん?なんで?」
「今から寝るんだ。邪魔したら引っ掻くからな」
右前足から爪を出して、俺に引っ掻く真似をしてみせた。よく尖った爪だ。
「おー、怖っ。行かないから大丈夫だよ。安心して寝て下さい」
「ふんっ。じゃあな」
そう言ったあと、クロは奥の部屋に入っていった。