時 空 堂
俺の目の前に、ゆっくりと白い影が浮かび上がってきた。
「うわっ」
白い影は段々と人型となり、ハッキリと姿を現していった。
艶やかな綺麗な白髪。色鮮やかだけど上品な着物。着物を引き立て、負けをとらない帯。全てが鮮明に現れる前に刹那だと分かった。
「おかえり、刹那」
「ただいま。まだいたの?」
俺の顔を見て少し驚いているようだった。
「刹那の帰りを待ってたんだ」
「そう」
少し表情が優れない。疲れているんだろうか?