時 空 堂
寂しいとは思うが、やりたい仕事をして、生き生きとしている両親を俺は尊敬している。それにもう今は子供じゃない。居なくても平気だし、それが当たり前のようになっている。
「おっ、潤、おかえり」
門から玄関へと繋がる道を歩いていると、白いラフなポロシャツを着た中年の男に声をかけられた。この人は俺の父親だ。
「珍しい。久しぶりに帰ってきてたんだな」
「おぉ。母さんも帰ってくるぞ。久しぶりに三人でご飯でも食べるか?」
そう言って、ニカっと笑った。