時 空 堂

「あぁ、うん。そうしようか」

 思わず素っ気なく答えてしまった。

 ずっと一緒に居ないと、どう会話していいかも分からなくなる瞬間がある。

 正直、一線引いてしまっているところがあるためか、話しにくい。

「そうだ、潤。ご飯の前に久々にやるか?」

 何か会話のネタにならないかと庭の片隅を見ていると、父親が話しかけてきた。

「なにをだよ?」

「これだよ。これっ」

 何かを投げる真似をする父親。急に言いはなった言動が、俺には何のことだか分からなかった。
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