時 空 堂
ニカっと笑ったあと、二人は家に入っていった。
「全く。やるって言ったり、片付けって言ったり、勝手な父親だよ」
ふぅと溜め息をついたあと、口角をあげて、自嘲的に笑った。
「でも・・・、ははっ」
あんなに昔のことを、覚えていてくれて正直嬉しかった。
普段あんなに忙しそうに仕事ばかりしてるから、そんなこと忘れていると思っていた。
「なんだかんだあの二人親なんだな」
グローブとボールを片付けながら、俺は薄暗い倉庫の中で一人はにかんだ。