時 空 堂
「ありがとう。そういえばさ、今、時空堂を見てるおっさん居たよ」
「そう。どこに居たの?」
刹那は表情一つ変えず、笑顔のまま、お茶を煎れてくれていた。
「店の前。じーっと見て何か考えてる感じだったけど、どっか行った」
「そう。はい、どうぞ」
「あっ、ありがとう」
差し出されたお茶を手にし、一口飲む。
「時空堂が見えるということは、また来るさ」
「あれ?クロ居たの?」
「あぁ」
薄暗い奥からクロが、話しながら出てきた。