時 空 堂

「でもさ、あっちの方に行っちゃったけど?」

 おっさんの向かった方に指をさした。

「必ず来るさ」

 クロは軽くジャンプし、椅子に着地した。

「ミルクでいい?」

「ふむ」

 刹那はクロの飲み物を聞いたあと、奥へと消えた。

「なぁ、クロ。どうして客が来るのが分かるんだ?ここ外の音しないのにさ」

「さぁな」

 クロは前足で顔を掻きながら、俺の話には答えてくれなかった。

 一体ここは何なんだ。刹那とクロ以外誰も居ないであろうこの空間は、本当に謎だらけだ。
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