時 空 堂

「はい、ミルク」

「うむ。ありがとう」

 刹那にお礼を言ったあと、クロは浅いお椀のようなものに入ったミルクを、ペロペロと舐め始めた。

「なんかクロが猫らしい動作をすると、逆に気持ち悪いな」

「なぬ?」

「いやー、だってクロ喋るからさ。正座して湯呑みでも持ってお茶すすってても、おかしくなさそうじゃん?」

 自分で話しながら想像して少し笑ってしまった。

「・・・おまえ、猫が二足歩行してたら、気味悪いだろ?」

「そりゃそうだよ。実際見たら、腰抜かすとかじゃ済まなさそうだしな」
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