時 空 堂

 クロは、ふっ、と鼻で笑った。

「おまえ肝の小さい男だな」

「なっ、なんでだよ。ってかこうやって会話するのだって、普通ありえないから。なぁ?刹那」

「そうかしら?」

 刹那は無表情で、お茶を啜っていた。

「刹那。猫は普通喋らないよ」

「あら?私が気付いた時には、猫は話してたわよ」

 悪戯っぽく刹那は答えた。

「・・・ふぅ」

 駄目だ。そういえばここは普通じゃないんだった。

 普通じゃないことが普通の世界がこの時空堂だ。
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