時 空 堂
「ようこそ、時空堂へ。ここは、過去にでも、未来にでも行ける場所です」
「えっ?」
男は、素っ頓狂な声を出し、目を大きく見開いた。
「すみません。おっしゃっている意味がよくわからないんですが・・・、もう少し分かりやすくお願いします」
「過去にも未来にも行ける。それだけのことです。難しく考えることはありません」
刹那がはっきりと言い切ると、男は黙ってしまった。
何歳だろうか。俺の父親くらいの歳だろうか。白髪混じりの頭をポリポリと掻いていた。