時 空 堂

「あの・・・、えっと」

 男は口を開き、微かな声で、刹那に話しかけた。

「はい?」

「本当に行けるんですか?」

「はい」

 男は下を向き、再び考え込むように黙った。

 刹那はじっと男の方を見ていた。

「どうするんだろうな、あのおっさん」

「行くさ。時空堂に来た奴はおまえ以外行っている」

「ふーん」

 男には俺が見えていないし、声も聞こえていない。何故なら俺を見ないし、声に反応しない。

 俺は男にとって「必要ないし関係のない人間」
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