時 空 堂
どれだけの沈黙が続いたんだろう。わりと長い時間が経ったように思えた。
その時だった。
「もし・・・、もし本当に行けるのなら・・・、あの、えっと」
「行けるのなら?」
男は深呼吸をしていた。
「過去にお願いします」
「よろしいのですね?」
「はい」
男は俯き加減だった顔をあげ、刹那を見ながらしっかりと答えた。
過去に何か思うことでもあるのだろうか。
「かしこまりました」
刹那は一礼をし、腕を前に伸ばし、人差し指を男へ向けた。