時 空 堂
刹那がそう言って、少女に向かって人差し指を向けると、少女はスーッと俺達の前から消えた。
「相変わらずどうなってんだ。その術みたいなの」
椅子に座り、頬杖をついた状態で俺は刹那に問い掛ける。微笑むだけで刹那は何も答えない。
「おまえも行ってみたらどうだ?どうなるか分かるだろう?」
黙って少女と刹那のやり取りを見ていたクロが、久々に喋った。
「へっ、嫌だよ。俺は現状に満足してるんだし、何があるかわからないところには行きたくない」
「ふんっ、面白くないやつめ」