時 空 堂

 俺達はある犯罪を計画していた。

 過去に来たのはそれを阻止するため・・・。今の段階で篠原を阻止しても、きっと別の方法でまた繰り返される。今は傍観するしかない。

 どれだけ虚しかっただろう。

 どれだけ後悔しただろう。

 時が経つにつれ、犯罪という重荷が、俺にのしかかってきた。

 警察から隠れ、世間を気にして、気の休まる時間なんてない。

 明るくなるはずだった未来は、俺にとっては色褪せた世界だった。

 楽しかったのはほんの少しだけ。

 忘れることなんて、出来なかった。
< 93 / 426 >

この作品をシェア

pagetop