時 空 堂

「金か。そうだな・・・。きっと手に入ったって何も変わらないさ」

「は?何言ってるんだ?変わらないわけがないだろう?」

「いや、ははっ。そうだな、なんでもない」

 青信号にかわり、ゆっくりとアクセルを踏んだ。

「今日の黒河なんか変だな。何か気になることでもあるのか?」

 篠原が覗き込むように言った。

「そうか?ちょっと緊張してるんだよ」

 俺はちらっと篠原を見て、答えた。

 変なのは当たり前だ。今からの未来を俺はわかっているんだから。
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