時 空 堂

「そうか。緊張してるのか」

「篠原は?何ともないのか?」

 篠原に同じ質問を問い掛けた。

「俺はどちらかといえば、興奮してるな。こんなこと一生にそうあることじゃないだろう?どうなるか楽しみで仕方ない」

 篠原は口から噛み終えていたガムを出し、紙に包みながら話を続けた。

「金が手に入るって考えたら、嬉しくてたまらないな。失敗したら捕まるんだぜ?スリルがあって興奮しているよ。何に使うか考えたらキリがねぇ」

 ニヤッと笑いながら言った。

「スリルねぇ」
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