時 空 堂

 俺は静かに呟き、前を見た。

 金、金、金。欲に塗れた俺達の行く末を、俺は既に見ているからだろうか。もう金なんて・・・。

 未来を知らない時の俺もこうだっただろう。輝ける未来に期待膨らませ、楽しんでいた。

「さぁ、黒河。もうすぐだ。始めるぞ」

 篠原は助手席で一人、やる気に満ち溢れていた。

「あぁ、そうだな」

 小さく返事をし、目的の場所へと到着した。ブレーキを踏み、パーキングへと切り替え、サイドブレーキをひいた・・・、その瞬間だった。
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