時 空 堂

「そのままこっちに背を向け、あそこの壁の方に向かって歩いて行けっ」

 少し離れた壁に向かって顎でくいっと示した。

「な、何なんだ、一体っ」

「早くしろっ。頭をぶち抜かれたいのかっ」

 男たちの右手には、黒い手袋が嵌められ、拳銃黒々と光っていた

「篠原、大人しく言うことを聞こう」

「あ、あぁ」

 手を挙げたまま、壁へとゆっくり歩いた。辺りには人が居ない。

「よし。そのまま動くなよ」

 そう言って、男たちは何かをし始めた。背を向けたままでは、様子が分からない。
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