幼なじみと、ちょー接近中!?~約束のラブリング~



あたしといっちゃんは咄嗟に振り返った。



「綺麗…」



そこには、振袖を着た綺麗な女の人が立っていた。


女の人は完璧にいっちゃんしか見ていない様子。



…やっぱり、いっちゃんはモテモテなんだね。


あたしは顔をムスッとさせて少しだけ複雑な気持ちになった。



「依知久しぶり!」



「なんだよ、母さん…」



ふーん…母さんねえ。

そりゃ、モテモテな訳だ…。



………って、



「ええっ…!?」



いっちゃんの、お…お母さんっ!?



「なんだよ、じゃないわよ!

久しぶりなのに!!

お母さん、ずっと依知からの電話待ってたのにい…」



あたしが叫んだ後でも、いっちゃんママは話すのを止めない。


なんて言うのかな…?

いっちゃんママって、あたしが知ってる頃より、一段とかわいくなってお茶目になっているような…。



いつまでも無表情な自分の息子を見て、いっちゃんママは泣いた。


…ふりをした。




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