幼なじみと、ちょー接近中!?~約束のラブリング~
★依知side
「…いっぢゃ…ん、ティッシューっ!」
「はいはい…」
俺は光里にティッシュを手渡した。
光里はティッシュを奪うと、目を急いで覆う。
光里は只今号泣中。
その原因は…
「奈美って美人さんなんだな」
「那知こそかっこいいよ」
…今日放送されてる、兄貴と奈美さんのドラマ。
こんな会話だらけのこのドラマに、泣ける要素がどこにあるのだろうか。
ただのバカップルじゃねーかよ。
俺は光里に気付かれないようにそっとため息を零す。
やっぱり、自分の兄貴と奈美さんの恋愛を見るっていうのには、かなりの抵抗がある。
……兄貴の恋愛とか観てるこっちが恥ずかしくなってくるわ。
もう一度ため息をつこうとした時、光里のおばさんが俺を呼んだ。
「依知君、お電話よ」
「あ…はい」
俺は急いで電話台に移動すると、受話器を取った。
「もしも―――」
「やほーい、愛しのBaby?
今日もお月様の輝きより美しい、僕、河村那――――」
俺は声を聞いた瞬間、咄嗟に電話を切った。
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