幼なじみと、ちょー接近中!?~約束のラブリング~



たっちゃんの言葉を根に持ったまま過ごすこと数時間。

あっという間に放課後になった。


教室から一気に人がいなくなる。

あたしも人混みに紛れて、部活に向かおうとしていた。



「光里、部活行こうぜ」



「…たっちゃん」



たっちゃんは、あたしの膨れっ面に気付かないのか、ニコニコ笑顔だ。



一応、あたしとたっちゃんはサッカー部に所属している。

と言っても、あたしはマネージャーで、たっちゃんは部長さんなんだけど。



しかも、この高校のサッカー部は、顧問が練習に来ない。

というか、サッカー部員全員が、誰が顧問かを知らない。


その代わりに、たっちゃんがみんなの面倒を見てるの。




「なあ、光里」



「今度は何?たっちゃん…」


あたしが半ば呆れた顔で言うと、たっちゃんは予想だにしない言葉をあたしの耳に流し込んできた。




「河村、サッカー部に勧誘しといたから。

今、見学来てる」



「へっ!?」



あたしは目を丸くした。

な…なんで……!?




「しかも、幼馴染みで今は光里ん家住んでるんだろ?

河村から聞いた」



「なっ……!!」



………いっちゃん、何勝手に言ってんの!?





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