幼なじみと、ちょー接近中!?~約束のラブリング~
☆光里side
あたしは屋上に来ていた。
季節はもう春なのに、冷たい風が屋上を包んでいる。
その風のおかげもあって、あたしの涙はもう乾ききっていた。
ゴロン、と屋上に寝転ぶ。
…なんか凄いライバルが登場したなあ。
佳奈ちゃんのさっきの言葉は、嘘ではないと思う。
…いっちゃんを見る時の目が、恋してる時の目、そのものだったから。
あたしは、佳奈ちゃんになんか勝てるのかな…。
あんなに可愛らしい子に勝てる気がしないよ。
「…でも弱気になったりしたらダメだよね?
ポジティブに行こう!」
あたしが気合いを入れる為に、起き上がろうとした時だった。
「何してんの?」
聞き慣れない声にあたしは戸惑いながらも振り向いた。
「な…なんで」
「よお…」
そこには、佳奈ちゃんのお兄ちゃんの雄太君がいた。
雄太君はあたしをジロジロ見ながら、どんどん近付いてくる。
あたしは恐怖心から、ジリジリと後ずさりをしてしまっていた。
…なっ何!?
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