幼なじみと、ちょー接近中!?~約束のラブリング~
★依知side
「休憩に入るぞ!」
青木の声によって、グラウンドからどんどん人が減っていく。
俺はサッカーボールを抱えたまま、グラウンドに立ち尽くしていた。
佳奈と雄太がこっちに来てからというもの、俺は佳奈にずっと付きまとわれている。
…正直言って、佳奈のあの性格は何とかして欲しい。
教室で毎日のように行われている佳奈のアプローチによって、俺は光里と過ごす時間が極端に少なくなってしまった。
…正直、光里の笑顔を見る時間が少なくなっている事が寂しかった。
「いっちゃん、どうしたの?」
サッカーボールを見つめながら真剣に悩んでいると、いきなり光里が俺の目の前に現れた。
…びっくりした。
「いや、別に。
光里こそどうしたんだよ」
俺はサッカーボールから光里に視線を移す。
そんな俺に、光里は皮が剥いてある状態のリンゴを渡してきた。
「りんご剥いたの!!
よかったら食べて」
光里はリンゴを俺に渡すと笑った。
…だけど、その笑い方は作り笑いみたいだった。。
そうだよな。
今一番辛いのは光里だよな。
…頼りなくて情けない彼氏でゴメン。
俺はグラウンドという事も忘れて、勢いよく光里を抱きしめた。
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