幼なじみと、ちょー接近中!?~約束のラブリング~



―――「俺はもうお前と付き合ったりしない」



このフレーズがあたしの頭の中をぐるぐる駆け巡る。

そんなあたしに追い撃ちを掛けるように、さらに二人の会話は続く。



「……ねえ、好きなの…!」



次の瞬間、あたしは思いがけない光景を目にしてしまった。


………女の人が、いっちゃんにキスしてる。



「―――っっ!!」



耐えられなくなったあたしは、気付けばその場から走って逃げ出していた。

着いた先は、トイレ。



着いた途端に。あたしの瞳からはなぜか涙があふれていた。



「うっ―――ッ…!!」



涙を流しながらも、思い出すのは、いっちゃんのあのセリフ。



―――「俺はもうお前と付き合ったりしない」



なんとなく、話が読めた気がした。



いっちゃんがそう言ってたってことは、あの二人は前に付き合ってたってこと。

女の人にはいっちゃんに対してまだ未練が残っていた。


そして、何故かは知らないけど、ここで二人は再会して―――



考えれば考えるほどに、涙が止まらなくなった。




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