幼なじみと、ちょー接近中!?~約束のラブリング~



奈美さんは、びっくりして固まっているあたしの顔を優しい表情で覗き込む。



「光里ちゃん、だよね?

ほんとにごめんなさい。
びっくりさせちゃって…」



「こ…こちらこそすいませんでした!!

さっきは叩いちゃって…」



そうだよ。

あたしは大女優の手を叩いてしまったんだった。


あたしとしたことがやってしまった。

うわあっ、と頭を抱え込む。



日本全国の奈美さんファンの皆さん、本当にすいません…。


あたしが心の中でそって謝ると、いっちゃんがあたしに話し掛けてきた。



「光里さ、俺に兄貴いるの知ってるだろ?」



「うん…那知君でしょ?」



そう。

いっちゃんには、四つ歳の離れたお兄ちゃんがいる。
そして、あたしの幼なじみでもある。



―――那知くん。



いっちゃんみたいに、「なっちゃん」って呼びたかったんだけど、凄く嫌がってた思い出がある。



「…ビックリすんなよ?

実はさ、俺の兄貴、奈美さんと結婚するんだよ」




.
< 90 / 284 >

この作品をシェア

pagetop