幼なじみと、ちょー接近中!?~約束のラブリング~
奈美さんは、びっくりして固まっているあたしの顔を優しい表情で覗き込む。
「光里ちゃん、だよね?
ほんとにごめんなさい。
びっくりさせちゃって…」
「こ…こちらこそすいませんでした!!
さっきは叩いちゃって…」
そうだよ。
あたしは大女優の手を叩いてしまったんだった。
あたしとしたことがやってしまった。
うわあっ、と頭を抱え込む。
日本全国の奈美さんファンの皆さん、本当にすいません…。
あたしが心の中でそって謝ると、いっちゃんがあたしに話し掛けてきた。
「光里さ、俺に兄貴いるの知ってるだろ?」
「うん…那知君でしょ?」
そう。
いっちゃんには、四つ歳の離れたお兄ちゃんがいる。
そして、あたしの幼なじみでもある。
―――那知くん。
いっちゃんみたいに、「なっちゃん」って呼びたかったんだけど、凄く嫌がってた思い出がある。
「…ビックリすんなよ?
実はさ、俺の兄貴、奈美さんと結婚するんだよ」
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