思い出の場所まで


グーっと背伸びした。
夜の匂いがする。




あたしってなんなんだろう・・・。
少し変な気持ちになった。




こうやって、いつまでも
良い男に出会えないまま
人生終わって行くのかな・・・。



そんなのヤダっ・・・。




「美ー怜っ!」
「へっ?」



あたしはびっくりして振り向いた。





「よっ!」
「颯ちゃん・・・。」

颯ちゃんはあたしの横にちょこんと座った。





「なんでいるのよ。」

頬を膨らまして言った。




「マサおじさんとアキおばさんから
捜索願いがきて。
幼なじみの勘ですぐココだろなーってわかった。」

少し笑って言った。



「もうっ!母さんも父さんも。
なんか、颯ちゃんに来てもらってごめんね・・・。
試合近いんでしょ?」



颯ちゃんは男子サッカー部の2年にしてレギュラー。



「うん。ちょうど1週間後。」

「本当・・・ごめんね・・・。」
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