俺様のち王子。[完]
「はーい!黙れ女子!」
担任の必死の一言で女子の雄叫びは余韻を残しながら少しずつおさまる。
担任。ご愁傷様です。
「神谷!おまえ毎日毎日なんで遅刻するんだ?」
「んー。道端で可愛い女の子見つけちゃって。連絡先聞いてたら遅くなりましたあー。」
神谷が口を開くと
女子の口も開きます。
「いやーん。神谷くん。そんな子相手にしないでアタシと遊んでよぅー。」
「キャー♪こっち向いてー♪」
「ダメっ。今日は私が予約してるのっ!」
神谷徹は予約制なのか?
とか言ってるうちにHRは終わるチャイムが鳴る。
「あーもう。今日もまともにHR出来なかったよ。全く神谷は……」
女子の鳴りやまぬ声援の中で、
ボソリと呟き教室を出て行く
担任の姿を見て私は、
可哀相に…。と思うしかなかった。