俺様のち王子。[完]
…………ぇ、?
ふと頬に手をやると生暖かい涙を手に感じた。
「…ホントに何もない…か…ら。」
「はぁーっ…じゃあ何で泣くかなあ…?」
その言葉と共に私の体は、雄斗のさわやかなシトラスの香りに包まれた。
「…っう…っうえーんっ;;」
とたんに涙腺が緩み涙があふれ出て来た。
「…ほらほらこんな所で泣くなよ、ったくお前はぁ…」
「…雄斗…ごめんー…っうぅ…」
雄斗のその暖かさに甘え、しばらく溜まっていた涙を泣きはらした。
「…唯、何してんの?」