俺様のち王子。[完]
7、恋してるんです。
◆唯SIDE
◆唯SIDE
あの日
雄斗にキスされた後
私は雄斗に告白された。
「あんなヤツなんかより、俺にしとけよ。俺は唯のコト泣かせたりしないからさ。」
正直、揺れた。
雄斗は、不器用だけど本当は優しくて私のコトをいつも見ててくれた。
だけど…
「ごめん。」
今の私の頭の中は、
神谷でいっぱいいっぱいだった。
「…俺諦めないから。アイツのコト嫌になったらいつでも待ってるから…。」
「…雄斗は優しいね。ありがと…」
そう言って神谷が走って行った道を、追い掛けるように暗闇のなか唯は消えた。