なついろ
第一章
プロローグ
それは暑い夏だった
高総体真っ只中な俺は
センターに突っ立っていた
バッドを握る手の力が一層強まる
もう2回ストライクを打っている
もうチャンスは1回しかない
今打たなくてどうする
絶対に打たないといけない
この日のために頑張ってきたんだろう
すごいスピードで
ボールがこっちへ来る
スローモーションに見えた
ボールがゆっくりゆっくり近づいてくる
思いっきりバッドを振った
「ストライクッ!!バッターアウト!!!!」
俺の夏が終わった