なついろ

―次の日
ガバッと目を覚ます。
時計を確認するが遅刻はしなそうだ

「よっしゃ」

パチンッと頬をたたいて起き上がった。
まだ眠さが残ったまま階段をのろのろと
降りていたら踏み外してしまい
ゴロゴロと落ちてしまった。

リビングからびっくりしたのか
顔を出した母親。

「朝から何やってんのよ,祐也」
「痛ってぇ・・」

のそのそと起き上がる。
「最近帰ってくるの遅くね?」
「残業があってねぇ」
「へぇ」

冷蔵庫からミネラルウォーターを出し
一口飲み込む。

「今日は遅刻しないでよぉ?」
「しねぇし」

クスクスと笑った母親
何だか最近楽しそうだな

ゆっくり家を出た
暑くてたまらない
上を見上げるとギラギラと太陽が輝いていた
毎日毎日すげぇな,太陽って

手で太陽をかざしてまた歩き出した


学校の中に入る
3年生は一番上の階だ
階段を上ってやっと
自分の階についたとき
隣のクラスから出てきた彼女

『あ』

「おはよう」
「おはよ」

ニコッと笑って美夏は行ってしまった。
俺は通り過ぎていった美夏を
じっと見ていた。

その時誰かに蹴りをいれられて
すぐさま後ろを振り向くと
ニヤニヤと立っている拓海がいた。




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