なついろ

「な,なんだよ」
「いやー,手出すの早いな祐也くん」

ケラケラ笑いながら拓海は教室に入っていった。
「手なんて出してねぇし」
「お前が女に興味だすなんて珍しいね」
「ばーか,前から興味あるっつの」
「何か・・キモイ」
「何なんだよ,お前」

俺の席に拓海が座った。
「まぁあの子可愛いよな」
「・・」
「いやぁ,祐也くんがねぇ」
「うるさい」
「野球より女だって!」

「・・」

またクスクスと笑って
拓海は自分の席に戻っていった

そんなに俺女に興味なさそうだったかな?

いや,充分あったし

美夏は何ていうか
・・てか別に何とも思ってねぇし



ふと教室のドアを見ると
ちょうどうちわをパタパタしながら
担任が入ってきていた。


そんな担任にキュンキュンしている女子たちは
キャーキャーとうるさい。



ったく,ずるい奴



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