なついろ

それにしても暑すぎ
窓は開いているのに
風はひとつも入ってこない

重苦しい溜息をしていると
担任の斉藤が俺のことを指差して
「おいホームルーム終わったら残れよ」
「は?」

てきぱきと
今日の予定を言った
斉藤は簡単にホームルームを終わらせた
俺のことを見て手招きをしている
・・何?
席をゆっくり立って
のそのそと教卓まで行く

「ちょっと付き合え」
「は?」
出席簿を片手に教室を出る斉藤
「何で俺?」
「お前遅刻しただろ」
「いや,それ昨日のことだし」
「そうだっけ?」

憎たらしい笑顔を見せて
歩き出した斉藤
なんか・・まじでむかつく
ドスドスと音を立てて斉藤の後ろをついていった

職員室に入ると
扇風機が二台あって
教室よりかは何倍も涼しかった
だから教師はずるいんだよ
「おい大宮ー」
「・・」
奥のコピー機がたくさん置いてある
部屋へと呼ばれた
「今からコピーしたやつを
一枚ずつまとめてクリップで止めてくれ」
「はぁー?」
「遅刻したんだろ?ちこくっ」
そう言ってパシッと頭を叩かれた
「授業・・授業間に合わない」
「あぁー一時間目自習だから」

自習とか
居眠りが出来る唯一の時間なのに
だから俺を呼んだのかっ・・




< 13 / 16 >

この作品をシェア

pagetop