なついろ


学校についたのは
定時着席の20分後だった。
きっと担任は教室に居るだろう。


教室に入る。
ガラガラと音がする。
一斉に皆がこっちを見た。
「大宮!寝坊かー?」

黙ってこくっと頷く俺を見て
呆れ顔をした担任。


斉藤―サイトウ―
2-C担任,若く皆に親しまれている。
女子には特に人気で黄色い歓声を浴びている
何だか男子からしてはずるい奴。


真ん中の一番後ろの席に座る。
朝のホームルームがすぐに始まった。


担任が教室を出た瞬間
俺の後頭部にゴツンという音と共に
痛みが走った。
「おう,寝坊野郎」
「うるさい」
ケラケラと笑っているこいつは


拓海―タクミ―
背が高くひょろっとしている。
少し髪はブラウンでワックスで
髪がいつもセットされている。
バカばっかやっている達。


「いつもは朝練があったけど今日からないと思うとさ」
「何だかなーって感じなの?」
拓海は帰宅部だ。
こいつに誘われて俺も帰宅部に入ることにした。
拓海はスポーツ万能のくせに
人と協力して何かをつくっていくというのが
嫌らしく帰宅部に入ったそうだ。


「あー・・もう終わったんだよなー」
ベランダに出てポロッとその言葉が出てきた。
「終わったんだよ」
隣を見ると
涼しい顔をして一言そう言った
拓海がものすごく羨ましかった。




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